全国約8万ある寺院の宗派別総元締めです。
総本山(そうほんざん)は全国約8万ある寺院のそれぞれの宗派の総元締めにあたる寺院です。
現在全国で現存する宗派は13宗派あり、それぞれの宗派ごとに総本山(大本山)が
あります。
そしてその下には本寺(ほんじ)、中本寺(ちゅうほんじ)、直末寺(じきまつじ)、
孫末寺(まごまつじ)といった宗内のすべての寺院があります。
この仕組みを本末寺制度(ほんまつじせいど)または本末制度といって江戸時代に
制度化されたものです。
それまでたびたび起こっていた仏教勢力による反抗を抑えるため、江戸幕府が各宗派の
有力寺院に同じ宗派の寺院や僧侶たちを統率するよう命じました。
有力寺院側も自身の地位が保証されることになるため積極的に応じたそうです。
結果的に江戸幕府と利害関係が一致し、本末寺制度が成立することになったそうです。
各宗派総本山(大本山)一覧
1、法相宗(ほっそうしゅう) 奈良市 興福寺(こうふくじ)
藤原不比等が建立した藤原氏の氏寺です。平安末期には僧兵が何度も朝廷に
強訴(ごうそ)しました。
2、華厳宗(けごんしゅう) 奈良市 東大寺(とうだいじ)
全国の国分寺を統括する寺院として、聖武天皇によって建立された官寺です。
3、律宗(りっしゅう) 奈良市 唐招提寺(とうしょうだいじ)
鑑真の私寺として建立され、受戒の際に重要な役割を果たしました。
4、天台宗(てんだいしゅう) 滋賀県 延暦寺(えんりゃくじ)
名だたる僧を輩出し、仏教の総合大学的な存在で、日本仏教の母山と呼ばれて
います。
5、真言宗(しんごんしゅう) 和歌山県 金剛峰寺(こんごうぶじ)
空海が密教の実践の場として開いた高野山の一角にあります。
6、融通念仏宗(ゆうずうねんぶつしゅう) 大阪市 大念仏寺(だいねんぶつじ)
良忍(りょうにん)が夢のお告げに従って開いた道場が起源です。
大阪府最大の木造建築の本堂があります。
7、浄土宗(じょうどしゅう) 京都市 知恩院(ちおんいん)
法然(ほうねん)が布教を行なったゆかりの地に建てられた広大な寺院です。
8、浄土真宗(じょうどしんしゅう) 京都市 東本願寺・西本願寺
親鸞の廟所(びょうしょ)が寺院化したもので、徳川家康が弱体化を狙った際、
東西に分裂しました。
9、時宗(じしゅう) 藤沢市 清浄光寺(せいじょうこうじ) 通称:遊行寺(ゆぎょうじ)
4代遊行上人の呑海(どんかい)が建立し、全国を行脚した歴代の遊行上人たちが住んだ
お寺です。
10、臨済宗(りんざいしゅう) 京都市 妙心寺(みょうしんじ)
花園天皇によって創建され、「西の御所」として親しまれています。
11ー1、曹洞宗(そうとうしゅう) 横浜市 総持寺(そうじじ)
もともとは能登半島にあったのですが、明治44年に瑩山(けいざん)禅師によって
横浜鶴見区に移転しました。
11-2、曹洞宗(そうとうしゅう) 福井県 永平寺(えいへいじ)
広大な敷地に70あまりの堂塔が立ち並ぶ曹洞宗の修行の道場でもあります。
12、黄檗宗(おうばくしゅう) 京都府宇治市 萬福寺(まんぷくじ)
中国風の様式が特徴的で、礼儀作法、衣の形や色など中国のものを継承していて、
経典も約8割は中国語で、立ったまま読誦(どくじゅ)を行います。
13、日蓮宗(にちれんしゅう) 山梨県身延町 久遠寺(くおんじ)
日蓮が晩年を過ごした草庵跡に建てられ、日蓮の魂が宿っているとされています。