日本最古の神社を特定するのはほとんど不可能
日本の歴史の古いといわれる神社ほど、創建された時期が不明な場合がほとんどで、
日本最古の神社と紹介しているところが日本全国にかなりあります。
岩や樹木などを神霊の宿るものとする原始的なスタイルや、神社自体の由来・社伝などを頼りに
選ぶことがほとんどです。
歴史の古い主な神社
出雲大社(いずもおおやしろ) 島根県出雲市
出雲大社は国譲神話に祭神の大国主命が陰退し住むために立派な宮殿が造られたとあり、
「古事記」には天之荒舎(あめのあらか)、「日本書紀」には天日隅宮(あめのすみのみや)と
記されています。
これが出雲大社の起源とされていて、弥生時代中期に創建されたといわれています。
大神神社(おおみわじんじゃ) 奈良県桜井市
大神神社は奈良県の三輪山を御神体として仰ぎ、本殿を持たず、拝殿・神門だけの原初的な
神社で、日本でもっとも古い神社の一つとされています。
大神神社の創建時期はハッキリわかりませんが、紀元前二百三十年頃とも言われています。
諏訪大社(すわたいしゃ) 長野県諏訪市・茅野市・下諏訪町
諏訪大社は上社の本宮・前宮、下社の春宮・秋宮の四社で構成され、本殿を持たないスタイル
をとっていて、日本最古の神社の一つとされています。
諏訪大社の奇祭で有名な御柱祭(おんばしらさい)も古い祭祀形態と関係しているようです。
創建時期は不明ですが、千五百年~二千年前と推定されています。
熊野那智大社(くまのなちたいしゃ) 和歌山県那智勝浦町
熊野那智大社の社伝によると、紀元前667年に神武天皇が熊野に上陸した際に那智の滝を
祀ったのが起源とされています。
石上神宮(いそのかみじんぐう) 奈良県天理市
石上神宮の創建については「日本書紀」によると紀元前91年に物部氏の祖・伊香色雄命
(いかがしこおのみこと)が布都御魂神(ふつのみたまのかみ)を祀ったと記されています。
伊弉諾神宮(いざなぎじんぐう) 兵庫県淡路市
伊弉諾神宮も、神話で伊弉諾尊が多くの神々や島を生み終えた後、幽宮(かくりのみや)を
淡路の洲(くに)に営んだのが起源とされ、日本最古の神社の一つとされています。
花窟神社(はなのいわやじんじゃ) 三重県熊野市
花窟神社は、「日本書紀」に伊弉冉尊(いざなみのみこと)が火の神・迦具土神(かぐつちのかみ)
を生んでのち火傷をして亡くなったあと、この地に葬られたという言い伝えがあります。
都農神社(つのじんじゃ) 宮崎県都農町
都農神社の社伝によると神武天皇が東遷(とうせん)する際にこの地で国土平安、海上平安
武運長久を祈念したのが起源とされています。
住吉神社(すみよしじんじゃ) 長崎県壱岐市
住吉神社は、最古の住吉神社といわれる古い神社で、社伝には神功皇后(じんぐうこうごう)
の三韓遠征の帰途に、三韓鎮護のために住吉神を祀ったのが創祀といわれています。
宗像大社(むなかたたいしゃ) 福岡県宗像市
宗像大社は、神代に創祀されたと伝わっています。
祭神の宗像三女神は神話で、大和王権時代には対外交流の守護神として崇敬され、
沖ノ島の祭祀神宝(さいしじんぽう)は四世紀からのものが出土しています。