子宝・安産・子育てに関する神々
子宝・安産・子育てに関する神様は一般的に子安神、子守神、聖母(しょうも)などど
呼ばれています。
また子安神などを信仰することを産神信仰(うぶかみしんこう)といわれています。
産神の種類は、氏神、産土神(うぶすながみ)、便所神、井戸神、箒神(ほうきがみ)、カマド神、
山の神、海の神など非常に多数あります。
子宝・安産・子育てによい神社
東京都 水天宮(すいてんぐう)
水天宮はもともと水難除けの神でしたが、今日では子宝・安産の神として知られています。
お産の軽い犬にあやかって毎月戌の日に安産祈願する妊婦も多く、水天宮では妊婦に
安産守りとして「御子守帯(みすずおび)と呼ぶ腹帯を授与しています。
静岡県 富士山本宮浅間大社(ふじさんほんぐうせんげんたいしゃ)
祭神の木花開耶姫命(このはなさくやひめのみこと)は燃え盛る炎の中で、無事に出産したと
いう神話から安産の神として信仰されています。
民間の土着的な産神信仰の子安神とも結び付いて子授け、子育ての神様としても広く信仰
されています。
奈良県 吉野水分神社(よしのみくまりじんじゃ)
別名子守神社といい、古くから子守大明神として篤く信仰されてきました。
祭神の罔象女神(みずはのめのかみ)は清らかな水の神で、水のエネルギーの霊力をもっている
といわれています。
福岡県 香椎宮(かしいぐう)
香椎宮の祭神は神功皇后(じんぐうこうごう)で、新羅(しらぎ)遠征の際に呪術的な
方法で出産をコントロールして無事に子の応神天皇を出産したという鎮懐石伝説(ちんかいせき)
伝説が知られています。
そこから民間の母子神(ぼしじん)信仰と結びつき安産子育て守護の神様として「聖母」「神母」
とも呼ばれるようになりました。
京都府 護王神社(ごおうじんじゃ)
祭神の和気広虫姫命(わけのひろむしひめのみこと)は和気清麻呂の姉で、奈良時代に起きた
藤原仲麻呂の乱で孤児となった八十三人の子供たちを保護し、慈愛を持って養育したことから、
保育の神、子育ての神として信仰されています。
石川県 白山比咩神社(しらやまひめじんじゃ)
白山信仰の総本社で、白山比咩大神(しらやまひめのおおかみ)別名菊理媛尊(くくりひめのみこと)」
は古くから「いのちの親神」として崇敬され、安産、子孫繁栄の神として信仰されてきました。
群馬県 産泰神社(さんたいじんじゃ)
この神社では安産祈願するときに妊婦が底の抜けた柄杓を奉納して、
水が抜けるような楽なお産を願い、子宝を望む女性は逆に底のある柄杓を奉納するのが
習わしになっています。
鹿児島県 鹿児島神宮(かごしまじんぐう)
この神社に祀られている豊玉姫命(とよたまひめのみこと)は海神の娘で、地上の支配者となる
山幸彦(やまさちひこ)と結婚して御子神を生んだことから、安産の神として信仰されています。
千葉県 玉前神社(たまさきじんじゃ)
祭神の玉依姫命(たまよりびめのみこと)は豊玉姫命(とよたまひめのみこと)の妹で、
神話では姉の子を養育し、その子が成長し結婚して、のちの神武天皇を生みます。
そこから安産、子育ての信仰が生まれました。
宮崎県 鵜戸神社(うどじんじゃ)
豊玉姫命(とよたまひめのみこと)が海宮から陸にやってきて産屋を作って
御子を出産した地に祀られたのが起源とされています。
境内には豊玉姫命が海に去る時に両乳房を残したといわれる「おちちいわ」があり、
安産、子育ての信仰が生まれました。