時代のニーズにあわせたユニークな神社
日本の庶民信仰は古くから「困ったときの神頼み」の現生利益的性格があります。
それも特定の神様だけでなく、その時代の不安や悩み事の願いを聞き、ご利益を授けて
くれる神様です。
日本全国には時代のとてもユニークな神社があります。
全国の主なユニーク神社一覧
京都府 飛行神社(ひこうじんじゃ)
日本で最初に飛行原理を研究した二宮忠八(にのみやちゅうはち)が大正四年(1915年)に
創建した神社で、航空事故犠牲者の霊と、饒速日命(にぎはやひのみこと)を祀っています。
饒速日命は雨の岩船に乗って天から降臨した航空機の神様です。
東京都 自動車神社(じどうしゃじんじゃ)
自動車神社は昭和二十一年に陸軍機甲整備学校(現在の東京農業大学キャンパスに
祀られていた自動車神社を遷座(移した)したものです。
群馬県 雷電神社(らいでんじんじゃ)
推古天皇(598年)の頃に創建されたと伝わる古い神社で、火や雷をつかさどる
火雷大神・別雷大神を祀り、関東一円に分布する雷(いかずち)神社・雷電神社の
総本社です。
東京都 気象神社(きしょうじんじゃ)
東京都杉並区高円寺駅近くにある氷川神社の末社です。
もとは旧日本陸軍気象部構内に祀られて気象観測員たちが予報的中を祈願した
守護神で、昭和二十三年に現在の場所に移されました。
祭神の八意思兼(やごころおもいかね)神は、様々な気象現象を制御する神徳を
発揮するとされています。
山形県 空気神社(くうきじんじゃ)
空気神は平成二年に地元の有志によって「空気とそれを生み出すシンボル」として
建立されました。
空気がご神体の神社で、鳥居も社殿もなく、ブナ林の中に鏡に見立てた
五メートル四方のステンンレスが敷かれ、そこに豊かな自然の四季折々の風景が移り、
その下に本殿が収められています。
大阪府 泉州航空神社(せんしゅうこうくうじんじゃ)
正式名称は泉州磐船神社((せんしゅういわふねじんじゃ)といい、関西国際空港の
守護神として昭和五十八年に創建されたもので、飛行機の神・饒速日命を祀り、
航空安全を祈願しています。
佐賀県 増田神社(ますだじんじゃ)
全国に増田神社はいくつかありますが、殉職した警察官を祀った神社は
佐賀県唐津のここだけというとても珍しい神社です。
明治二十八年(1895年)に当時猛威を振るったコレラの防疫任務中に倒れて亡くなった
警察官の増田啓太郎巡査(享年二十五歳)を顕彰(けんしょう)して祀っています。
増田巡査は亡くなる直前「この地のコレラを私が背負っていき、守護神になります」と
遺言を残したといわれています。
岐阜県 盗人神加茂神社(ぬすっとがみかもじんじゃ)
盗人神や盗人宮と呼ばれる神社は、泥棒が境内に逃げ込むと不思議にその姿が消えて
しまうといわれていて、岐阜県高山市のこの神社も盗人をかくまったという伝説に
由来しています。
山形県 居合神社(いあいじんじゃ)
この神社の祭神は、剣道居合流の始祖林崎甚助重信(はやしざきじんすけしげのぶ)です。
重信は父の敵を討つために熊野明神に祈願して抜刀術の奥義を極め、無事本懐を遂げたと
いわれ、後に神格化されて熊野明神の境内に居合神社が建立されました。
東京都 コッホ・北里神社(きたざとじんじゃ)
この神社は港区白金台にあり、近代細菌学の父コッホ博士と、コッホ博士に師事し、
後年、破傷風の血清療法を発見した北里柴三郎博士を祀っています。