日本の一風変わった面白さと楽しさがある祭り
祭りは神様を慰め喜ばせる行事ですから、面白く楽しくなければ意味がありません。
面白ければ祭りに参加する人々の気分が盛り上がり、興奮してなにもかも忘れ、日ごろのストレス
を発散するには最適な場所になります。
特に奇祭・珍祭と呼ばれる祭りはその特徴が最も強くでるといえるかもしれません。
全国の主な奇祭・珍祭一覧
笑い祭 和歌山県 日高川町 丹生神社(にうじんじゃ)
毎年、十月体育の日直前に行われる丹生神社の祭礼です。
行列の先達は、赤頭巾をかぶり、赤、青、黄色の派手な衣装の伝統的なスタイルで、
鈴を鳴らしながら沿道の見物人に「笑え~笑え~」と迫りながら陽気に練り歩きます。
かなまら祭 川崎市川崎区 金山神社(かなやまじんじゃ)
かなまら祭は金山神社で、毎年四月の第一日曜日に行われる祭礼で、五穀豊穣、子宝安産
を願う祭りです。
巨大なピンクの男根をかたどった神輿を女装した男たちが担いで明るく練り歩く様子は
珍妙で、海外からの見物客も多い祭りです。
玉取祭(たまとりさい) 福岡市東区 筥崎宮(はこざきぐう)
毎年1月3日に行われる筥崎宮の例祭で、「玉せせり」とも呼ばれています。
裸に締め込み姿の競り子たちが木玉を巡って争奪戦を繰り広げ、神社本宮に向かって
競り進んで、勝ち負けを競って吉凶(豊作・豊漁)を占うという祭りです。
飯坂けんか祭 福島県飯坂町 飯坂八幡神社(いいさかはちまんじんじゃ)
飯坂八幡神社の例祭で十月の第一土曜日を中心に三日間行われます。
五穀豊穣を神に感謝し、氏子崇敬者の隆盛を祈願する祭りです。
本祭の神輿渡御は町内を巡幸したのち、夜になると大勢の若衆に担がれた6台の太鼓屋台を
従え、御旅所を出発します。
神輿を先頭に境内に入り乱れると、神輿の宮入りを阻む屋台が激しくぶつかり合います。
神輿が壊れるほど神意にかなうといわれ、けが人がでるほどぶつかり合う様子は壮烈です。
鵜祭(うまつり) 石川県羽咋市 気多大社(けたたいしゃ)
鵜祭は、毎年十二月十六日に気多大社で行われます。
この祭りは鵜が主役に珍しい祭りで、重要無形民俗文化財に指定されています。
神の使いの鵜様が木製の台への上り方などの動きによって、新年の吉凶が占われます。
旗上祭(はたあげさい)佐賀県中原町 綾部八幡神社(あやべはちまんじんじゃ)
旗上祭は、綾部八幡神社で毎年七月十五日に行われ、日本最古の気象予報といわれる神事です。
旗は農業の神である風神を招き寄せる依り代(目印)で、御神木に掲げた旗のなびき具合で暴風雨の
襲来や農作物の豊凶を占います。
蛸舞式神事(たこまいしきしんじ) 鳥取県 福岡神社
鳥取県 福岡神社の蛸舞式神事は毎年十月の中旬に行われ、通称「タコさん」、「蛸大明神」
とも呼ばれています。
祭神が大蛸に助けられる伝承にちなんだ祭りで、藁(わら)で作った蛸を掲げ持つ男を
神楽囃子にあわせ、幾度となく担ぎ上げ、藁の蛸の舞を演じます。
その後丸梁(まるはり)に抱きついた主役の氏子を下から大勢で回転させるというかなり
変った神事で、鳥取県無形民俗文化財の指定を受けています。
数方庭祭(すほうていまつり) 山口県下関市 忌宮神社(いみのみやじんじゃ)
数方庭祭は忌宮神社の夏祭り(八月七日~十三日)に毎夜行われる神事です。
境内の中心にある鬼石のまわりで長さ二十~三十メートルの大幟(おおのぼり)を担ぐ男たちが
「幟舞(のぼりまい)」を「切篭(きりこ)]と呼ばれる灯篭(とうろう)を付けた七夕飾りを持つ
女性たちの行列が繰り広げられます。
鍋かぶり祭 滋賀県米原市 筑摩神社(ちくまじんじゃ)
滋賀県の筑摩神社の鍋かぶり祭は毎年五月三日に行われる大祭で、祭り行列の中に
狩衣装の数え八歳の少女八人が、鍋をかぶって加わります。
この様子から鍋かぶり祭という名になったといわれています。
泣き相撲 岩手県花巻市 三熊野神社(みくまのじんじゃ)
泣き相撲は健やかな赤子の成長を願う祭りとして全国にいくつか見られますが、
三熊野神社では秋の例祭の「本場所(九月十九日)」と五月のゴールデンウィーク中に
「全国泣き相撲大会」が行われています。